私の仕事
書籍編集者は主にスクウェア・エニックスのゲームに関連したガイドブック、アート本、ドリルや絵本、カレンダーなど、紙媒体のコンテンツ製作を手掛けるお仕事です。
入社後はそういった様々なゲーム関連書籍のヘルプとして校正や社内・社外の関係者との連絡などを経験し、本が一冊出来上がるまでの流れを学ぶことで編集の基礎を身につけました。分からないことはいつでも編集部のメンバーに確認・相談ができる環境のため、1年目の時にはよく先輩や上司へ相談していましたね。
入社2年目には、メイン担当として『ドラゴンクエストX オフライン』の関連書籍を編集することになり、実際に自身の判断で本を作り上げる工程を執っていきました。発売前のゲームを実際に触って本の企画を立てたのち、それがビジネスとして成り立つか営業担当と相談しながら「商品」として発売する企画を決定し、書籍制作が始まります。制作会社との打ち合わせから始まり、ゲーム開発プロジェクトと書籍制作チームの間での素材やロムの受け渡し、上がってきた原稿の確認、印刷所への入稿作業、告知対応、販促物の確認、グッズとのセット販売企画の調整など、企画から発売までの制作に関するプロデュース的な作業が主体となる業務です。
装丁などは自身でデザインイメージを制作することもあり、『ドラゴンクエストXオフライン 台本集』の際は、同日発売のガイドブックとデザインが被らないようにするために、かなり悩みましたね。ゲームのポップな世界観に馴染むよう、本を収納するケースはゲーム内の宝箱に見立て、中身の台本は「宝物」らしく、カラフルな3色装丁にしました。また、大きさをA6判のポケットサイズにすることで「小さな宝箱」感を演出するなど、デザイナーさんと試行錯誤しながら制作していました。お手元に届いたお客様から「かわいい!」という感想が見られたときは安心しましたし、内容も好評だったので思い出に残っている一冊です。
ゲームの中身を深堀りすることで、開発や創作の面白さも伝えていきたい。