WORK LIFE
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スクウェア・エニックスで「働く」ストーリー

現場社員が語る!キャラクターに命を吹き込むサウンドデザイナーの仕事とは

こんにちは、スクウェア・エニックス 人事部 採用担当 長澤です。
今回はサウンド部で活躍中の若手社員にお話を聞きました。

「キャラクターに命を吹き込み、リアルな世界を作りあげていく」
そんな当社のサウンド部にご興味のある方は是非お読みください。

25-item-01.jpgサウンド部 サウンドデザイナー 奥山力

奥山さんのこれまでの経歴と入社のきっかけを教えてください。

前職では主に、テレビドラマや映画などの実写媒体をメインに効果音を制作する業務を行っていました。主な作業としましては、撮影・編集後の映像を受け取り、選曲・効果音作成した後に打ち合わせとミックス作業を行い納品・放送という流れです。

実写での効果音作業は基本的に撮影現場での音が入った状態なので、より魅せたい部分を強調・補填するという役割が強めでしたが、CGシーンやアニメパート、特撮作品を担当した際に、完全無音の状態で1からその世界を表現することに楽しさとやりがいを感じました。

そこでそのような業務に常に携われる業種で働きたいという思いが増し、自分にとって身近で毎日のようにプレイしているゲーム業界に興味を持ちました。その中でも特に1番やり込んでいて好きなゲームにFINAL FANTASY XIVがありました。

同時期にスクウェア・エニックスのサウンド部へのインタビュー記事等を拝見し、単にゲームに音を付けて終了というだけではなく、サウンドディレクションや細部に至るまでの世界観造りへの強いこだわりなど、当時の私の何倍もの音作りに対するプロ意識に感銘を受け、自分もスクウェア・エニックスで働き、その作品作りの一員として携わりたいと思いました。

現在の仕事内容を教えてください。

現在はサウンドデザイナーとしてゲーム内効果音制作・実装業務がメインです。

コンシューマーゲームやブラウザゲームなど様々な媒体でのタイトルに携わらせて頂いています。入社後に最初に参加させて頂いたFINAL FANTASY VII REMAKEでは主にキャラクターや魔法、ギミックの効果音制作を担当しておりました。

効果音は、パソコン上での作成作業だけではなく、Foleyといって実際のゲーム内の動作に合わせてアナログで録音するという手法での制作も行います。効果音作成後は実際にゲームに実装し、音の鳴り方や聞こえ方、聞こえる範囲やタイミングなどを細かく調整していきます。実装を行う上では、サウンドディレクターやプログラマー、マップ担当やボイス担当の方など、チーム内で相談しながら進めていきます。

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現在担当されている仕事の成功例を教えてください。

入社当初は、ボリュームや発音制御(最大何個まで同時に音を鳴らすかなど)の調整を行っている際に、主人公の音より明らかに大きな音で実装してしまい、何度か指摘された記憶があります。どんなに弱い敵キャラクターだとしても、自分がせっかく作った音なので、できればきちんと聞かせたいという欲があったかと思います。笑

あくまで主役はユーザーが操作するキャラクターであり、それの邪魔をしない絶妙なラインでの調整をするのには、何度か経験を重ねなければなりませんでした。単体ではボリュームが丁度良くても、複数体同時に出現するシーンではかなり大きく鳴ってしまったり、そのような調整作業も慣れるまではなかなか難しかったです。

しかし、こういった1つ1つの細かい指摘やアドバイスを受け、いかにユーザーに気持ちよくゲームをプレイしてもらうのかが大切なことであるというのを学ぶことができ、その経験は他のタイトルでも意識するようにしています。

現在担当されている仕事の魅力を教えてください。

最初は何も音がついていない無機質なキャラクターが、自分が作った音を鳴らしながら動いているのを見たときにある種の感動を覚えました。大げさかもしれませんが、命を吹き込んでいるような感覚です。

前職は映像に対して一方的に音を付けていくイメージで効果音を作っていたのでとても新鮮に感じました。ただ音を作るだけではなく、その後の実装面(ゲーム内に組み込む)では覚えることが多く何度も先輩に聞きに行っていました(今でもまだまだ覚えることが多いですが)。しかし、実際にコントローラーで操作した動きに合わせてきちんと音が鳴っているのを見た時や、ボイスや音楽のタイミングと効果音のタイミングが綺麗に調整できた時などはとても達成感があります。また、自分が作った音を国内のみではなく世界中のユーザーに聞いてもらえるのも魅力の一つだと感じます。

基本的には担当プロジェクトごとのチーム作業の為、制作や実装面で困った際には積極的に同チームの社員に相談していました。

サウンド部の方々はいつでも親身になって下さり、共により良いものを作っていこうというモチベーションで業務に当たっているので、そこもスクウェア・エニックスで働けて良かったと感じる部分です。

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仕事の厳しさ・難しさを感じるのはどんな時ですか。

ゲームには様々なジャンルがあり、それらに適した音も様々です。

また、目に見えない音は、プレイした人それぞれで感じ方も異なるため、自分が良いと思って制作したものでも、必ずしもすべての人のイメージにマッチするとは限りません。制作段階ではもちろん修正依頼も多々発生します。1つ1つの要望に対して、どういう意図やイメージの音を求められているのか考え、自分の中のこだわりも大切にしつつ、柔軟に対応していく必要があります。

必ずしも『正解』がある分野ではなく、それには個々の感性も重要になっていくため、そこが音作りの難しさだと思います。それらを解決していくためには、自分自身も様々なジャンル(ゲームだけではなく映画やアニメ等も)の音を勉強し、吸収して、頭の中の引き出しを増やしていく必要があると考えています。イメージが合致し、OKを頂けたときにはとても達成感があります。

どのような人がこの仕事に向いていると思いますか。

1つのゲームを作り上げるためには長い時間がかかります。制作技術や知識ももちろん大切ですが、自分一人ではなく多くの社員と共に制作を進めていくため、日々の業務ではやはりチームメンバーとのコミュニケーションが重要になっていきます。

業務上の相談はもちろんのこと、業務以外の何気ない雑談でも新たな制作の発想に転換できる場合もあります。また、時にはサウンド部以外の社員や外部の制作会社の方との打ち合わせ等も発生する為、積極的に他社員とコミュニケーションを取れる方がこの仕事に向いているかと思います。

私が入社した当初はオフィスに出社し周りの社員とも気軽に話をすることができましたが、リモートワークメインの勤務体系に移行後は、対面時よりコミュニケーションがとりづらくなったというのが現状です。しかし、サウンド部では在宅勤務下においてもオンラインツールを効率よく活用し、日々の意思疎通に生かしています。業務連絡以外にも気軽に相談できるコミュニティを設定し、定期的にオンライン雑談会を行うこともあります。特に在宅勤務体制後に入社した社員とは直接顔を合わせる機会が少ないので、今後も工夫しながら交流できる場を作っていければと思います。

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今後の目標や夢を教えてください。

私自身、全くの業界未経験からのスタートだった為、入社当初は右も左もわからない状態でした。

機材やツール、実装面に関しても全くと言っていいほど無知でした。体感ではようやく少し慣れてきたかなという感覚です。笑

まだまだ分からないことも多く未熟なため、まずは目の前の与えられた業務を着実にこなしていき、これから入社してきた後輩にも指導していけるように励んでいきたいです。そしてゆくゆくはタイトルを任せて頂けるまでに成長できればと思います。

これから当社へ応募される方へのメッセージをお願いいたします。

普段何気なくゲームをプレイしていても、多くの方は音が聞こえているのは当たり前と思い、それを気にする方は少ないかと思います。例えば、爆発のシーンに爆発の音が聞こえていてもそれは『当たり前』であり、ゲームの進行自体には音の有無は影響しません。

しかし、ストーリー展開上で流れる音楽や空間の音、敵を倒した時やアイテムを獲得した時の音など、耳から伝わる無意識の情報があることによって、プレイヤーの高揚感を左右し、そのゲームの世界に没入させ、達成感を味わってもらうことができると思います。

音があることの『当たり前』をいかに感じさせずに、ユーザーを自然にゲームの世界に入り込ませることができるかがこの仕事の役割だと考えます。

音のポジションはあまり意識されず地味な印象を持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、ゲームの世界観をより一層豊かにし、何倍にも表現できるのがこの仕事のやりがいであり、魅力だと思います。

ぜひご応募お待ちしております。

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