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スクウェア・エニックスで「働く」ストーリー

現場社員が語る!異業種の技術者から『ドラゴンクエストX オンライン』のシナリオデザイナーに転身した理由とは

こんにちは。スクウェア・エニックス 人事部 大脇です。

今回は、第二開発事業本部『ドラゴンクエストX オンライン』でシナリオデザイナーとして活躍している、福田 紫帆さんにお話しをお聞きしました。
未経験からゲーム業界へチャレンジした経緯など語っていますので、ご興味のある方は是非お読みください。

福田さんのこれまでの経歴を教えてください。

学校は土木科を卒業しており、前職は技術者として、橋梁の設計をする仕事をしておりました。
もともと、小説・漫画・映画・ゲームが大好きなオタクではありましたが、クリエイターになることは当時、考えておりませんでした。

きっかけは、『ドラゴンクエストⅪ』があまりに面白く、久しぶりにゲームに熱中していたところ、「ドラゴンクエスト」シリーズのシナリオアシスタント募集を見かけ、思い切って応募したことです。

応募条件には「性別・年齢・経験不問」と記載がありましたが、ゲームシナリオの作成の経験もなく、この募集時の課題が初めてだったので、まさか採用されるとは思ってもみませんでした。同時期に採用された同期も、みんな同じような気持ちだったようです。

現在の仕事内容を教えてください。

『ドラゴンクエストX オンライン』のシナリオ班に所属して、テキストの作成をしています。メインストーリー・クエストの脚本だけでなく、作中に登場する本や、アイテムの名称・説明文など、「テキスト」の範囲は広いです。

バージョン5ではいくつかのメインクエスト、フリークエスト、海イベントなどのシナリオを担当しました。バージョン6からはメインストーリーの一部も担当しております。

シナリオの場合は、脚本を書いて終わりというわけではなく、それに関係するキャラ・マップ・ボスなどの設定やイメージの資料を作成して各チームに伝え、それらの監修にも携わっていく必要があるので、自分が想像していた以上にやる事が多い印象です。

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※担当したクエスト

仕事上の成功例を教えてください。

自分の発言がきっかけで、バージョン5のヒロインに関するコンテンツの作成が決まったことでしょうか。

私が入社したとき、シナリオの製作状況はバージョン5の終盤に差し掛かっていました。そんな状況で私は、「シナリオ終盤に至ってもヒロインの存在感が薄い」という、かなり失礼な発言をしました。

当時の私は、シナリオ作成経験のない、入社2か月の新人です。そんな私からの意見でも、上司もシナリオ担当者も「じゃあ、どうするか考えよう」と受け入れてくれました。

そこからシナリオ班全員で話し合い、『イルーシャのスケッチブック』というコンテンツが生まれました。このコンテンツはメインストーリーにも大きく関わることになり、ヒロインのキャラクター性だけでなくストーリー全体のクオリティアップに繋がったと感じています。

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仕事上のやりがいや、当社で働く魅力を教えてください。

なんと言っても超有名IPのスタッフになれることですね。私は子供のころから「ドラゴンクエスト」シリーズが大好きだったので、面接で堀井雄二さんにお会いできた時の感激を忘れられません! 感激だけでなく、手が震えるほど緊張もしましたが(笑)

社内やプロジェクトのスタッフも、自分が遊んできたゲームを作ってきた人たちばかりです。たとえば、『ドラゴンクエストX オンライン』のシナリオ班には『ドラゴンクエストⅣ』からシナリオに携わっている超ベテランが所属しています。会議などでの発言も、とても勉強になりますし、過去作の製作の裏話を聞けたりすると、ファンとして興奮します!

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『ドラゴンクエストX オンライン』の実務をするうえで感じたのは、プロジェクト内の風通しの良さとスピード感です。

たとえば前述のヒロインコンテンツにしても、未経験の新人の意見をフラットに受け入れてもらえた時点で驚いたのですが、さらにコンテンツの担当者まで任せてもらえました。コンテンツのアイディア自体はシナリオ班全員で考えましたが、重要なコンテンツに関して企画書の作成から始まり、関連クエストやコンテンツ用テキストの作成を担当できたことは、入社間もない私にとってはとても嬉しいことでしたし、モチベーションに繋がりました。

しかし、シナリオといってもアウトプット自体は数KBのテキストに過ぎず、ゲームの形にするにはたくさんの工程と人員が必要です。またこのコンテンツはシナリオ終盤の作成過程で生まれたものでしたが、シナリオ序盤から遊べるようにする必要がありました。オンラインゲームでありリリーススケジュールが厳格な『ドラゴンクエストX オンライン』においては、コンテンツを急遽ひとつをねじ込むという作業も大変なことなのです。

それでもコンテンツの作成が決まるとすぐにキックオフ会議が開かれ、多くのプランナー・デザイナー・プログラマが文句ひとつ言わず、実装に取り組んでくれました。異業種から転職してきた私にとって、このスピード感は驚くべきものです。また会議ではコンテンツをより良くするため、実装を間に合わせるために、それぞれの立場から積極的に意見しているのも印象的でした。スタッフは常に「どうしたらゲームがもっと面白くなるか」を考えていて、熱量の高いプロジェクトだと感じています。

コンテンツの企画段階ではディレクターに「このコンテンツをどうしたいか、どう遊ばせたいか、ちゃんと考えてね」と言われたことをよく覚えています。シナリオ班の上司もそうですが、「クリエイターの意向」を尊重して伸ばしてくれる人が上にいるという安心感があります。もちろんこれは部下の言うことを全部通すという意味ではなく、ダメな時は、はっきりダメと言ってくれるので、とても信頼しています。

仕事の厳しさ・難しさを感じるのはどんな時ですか。

これは表裏一体の話ですが、やはり「ドラゴンクエスト」という多くのファンを抱えるシリーズの「シナリオ」という重要な業務ですので、プレッシャーは大きいです。私自身も「ドラゴンクエスト」の大ファンですし、ブランドの価値を落としてはいけないという責任感を常に感じています。

『ドラゴンクエストX オンライン』の話をすると、長くサービスが続いているタイトルですので、「同じ世界観で新しい物語を作りつづけること」がとても難しいですね。

シナリオやキャラクターを考える時にも、「もうそのパターンは過去にやった」という壁にぶつかることが多々あります。私自身も現在進行形でとあるクエストのプロットを作成しているのですが、まさに「何をやっても既視感がある」という壁にぶつかっています。

どんな人がこの仕事に向いているか教えてください。

普段からゲームや創作物に親しんでいて、売れているモノを面白いと思える感性が必要だと思います。作り手になると変わったコトや展開をしたくなるものですが、多くの場合それは受け手にとって面白くないと感じたり、不快に感じるものです。独りよがりにならないよう、お客様と近い感性・感覚は持ちつづけるべきだと思います。

またゲームシナリオには多くの制限があります。新規で作れるキャラクターやマップの数には限りがありますし、「ダンジョンに行って帰ってくる」以外の遊びを既存の仕組みの中で考えなければなりません。この制限をクリアしたうえでシナリオを書いたとして、テキストベースでは良かったものが、実際にゲームの形に組んでみると見えてくる問題というものがもたくさん存在します。なので「お話を作るのが好きな人」は大前提として、制限や問題発生に対するハートの強さも必要だと思います。

今後の目標や夢を教えてください。

「ドラゴンクエスト」のファンを増やすことです。「ドラゴンクエスト」シリーズは国民的RPGとしてたくさんの方に愛されています。しかし日本以外の国や、日本国内でも子供や若年層には、まだまだ「ドラゴンクエスト」のファンを増やす余地があると思っています。

ファンタジーの世界を一歩ずつ冒険し、一歩ずつ強くなる。そして世界を救う。この王道かつ壮大なエンターテイメントを、もっと多くの人に体験してほしい。自分がそうだったように、熱中してほしい。そのために自分ができることは何か、常に模索しています。その過程でオンラインゲームだからと避けてきた方にも『ドラゴンクエストX オンライン』をプレイしてもらうことができれば、最高ですね。

これから当社へ応募される方へのメッセージをお願いいたします。

もしあなたがスクウェア・エニックスで働きたいと考えていて、今現在まったく別の業界にいることを気にしているのなら、その心配をする必要はありません。経歴に関わらず、あなたの成果と熱意を受け止めてくれる会社です。

もしあなたがゲームを作りたいと考えていて、未経験であることを気にしているのなら、まずは手を動かしてみてください。あなたは「やったことがない」だけで、本当は「できる力」を持っているかもしれません。

ゲーム制作に熱い想いをお持ちの方と一緒に、お仕事ができる日を楽しみにしています。

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